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フットサルを中心に雑食的フットボール観戦記。

【日本フットサル史上類を見ないゴールラッシュ争いを制したのはRUCK】第14回全日本女子フットサル選手権 1次ラウンド・グループC

2017年11月10,11日


欲張りな我らは観戦に行くと、その大会を丸ごとぜんぶ楽しみたくなってしまう。だけど、そうするとせっかく遠くまで遠征に行っても試合試合で観光する時間を取れない。せめて夜ごはんくらいはその土地のものを!と、半ば意地で回った時計台、テレビ塔、すすきの、ちゃんちゃん焼きにスープカレー、そしてサッポロクラシック!!ま、結局去年と変わり映えはしないのですがそれもまたよし(^^;)

ブログ本編はグループCに続きます。さいたまSAICOLOが苦しみながらも三連勝で1位突破したグループBについてはこちら。


素人が撮った下手くそな写真ですが、それでも時間とお金を使って会場まで通い一生懸命撮った写真です。適切な引用は歓迎しますが無断での転載・転送はご遠慮ください。


第14回 全日本女子フットサル選手権 1次ラウンド グループC

2017年11月10,11日 @北海道/北海きたえーる

第1節

MESSE SENDAI LADIES 2-0 SC水都キングフィッシャー
福井丸岡RUCK 1-1 arco-iris KOBE




昨季の地域チャンピオンズリーグでは決勝戦だったこのカード。いきなり実現してしまったビッグマッチ!冷酷にも、準決勝に行けるのは1チームだけだ。

まだアルコイリスには勝ったことのない丸岡RUCK。昨シーズンの日本リーグでは亀のように引いて守って引き分け。選手権の雪辱を懸けた地域チャンピオンズリーグ決勝では真正面から勝負を仕掛けて力負け。

そして今シーズン、地元福井での日本リーグホームゲームではその中間解とも言える“ハーフに引いてカウンター狙い”で挑むも一歩及ばず。今回はどう戦うのか!?



彼女たちの選択は「前へ!」だった。アルコイリスを畏れず果敢に前プレを仕掛ける。かつ、相手がパスをトラップする瞬間を前に回り込んでカットする“前カット”でのインターセプトを狙う。攻撃のための守備。


その作戦が身を結んだ前半6分、先制は丸岡RUCK!13.高尾が自陣でのボール奪取からそのまま20m以上をドリブルで持ち込み、



シュートは一度はブロックされるもキープして、キープして、左足でゴール!


決めた本人も大興奮のスーパーゴール!!



このゴールで先制した丸岡RUCKがリードを守ったまま前半は終了。しかし当然、このまま終わる女王アルコイリスではない。なんと、後半開始わずか9秒で18.加藤の同点弾が決まる!


このゴールで勢いを取り戻したアルコイリスの怒涛の攻撃がRUCKゴールを襲う。公式記録を振り返ればトータルのシュート数はアルコ32に対してRUCKはわずかに6。圧倒的にアルコが優勢なれど、ゴールは決まらない。



しかし試合終了間際、少ないながらもRUCKに決定的なチャンス!カウンターに抜け出したのはまたも13.高尾。9.関灘のプレッシャーを受けながらも放ったシュートは完全に枠を捉えたかに思われたが…


惜しくもポストを叩きゴールならず。まもなく試合終了。グループリーグで1番の注目を集めた決戦は1-1の引き分けに終わり、準決勝進出はこの後の2試合での得失点差争いとなる公算が高まった。



もう1方のAピッチでは、MESSE SENDAIがSC水都を2-0で撃破。第1節時点での暫定首位につけている。


第2節

SC水都キングフィッシャー 0-8 福井丸岡RUCK
arco-iris KOBE 12-0 MESSE SENDAI LADIES


こういう展開になると、RUCKとアルコの対決が第1試合だったことが非常にこのグループを面白くしている。お互いに同じ相手との2試合で何点取って勝つことができるか、イーブンな状態で得失点差争いになるからだ。

ゴールラッシュ争いといえば日本女子フットサルリーグでは、丸岡RUCKは16-0でUNIAOに勝利。アルコは同じUNIAOに14-1で勝っておりこの数字だけを見ればRUCKが優勢かという判断もできる。しかし、全国大会にまで進んでくる強豪相手に12分ハーフという限られた時間で…となると前回大会の1次ラウンドで3戦15得点を挙げている実績のあるアルコに分があるのではというのが当時の自分の予想。

しかしそんな薄っぺらい予想を軽く上回る、壮絶な点取り合戦がこれから始まる。



まず口火を切ったのは丸岡RUCK。開始2分で2.横山夢花のゴールが決まると、続けて9.北川が連続3得点。なんと5分までにハットトリック。


一方のアルコイリスは5分に昨季地域チャンピオンズリーグの得点女王・3.江口が先制点を挙げるも、その後がなかなか入らない。



しかし前半ラストの3分間でゴールラッシュ。3.江口もハットトリックを決めて、9.関灘、6.小村、18.加藤もゴール。一気にRUCKを追い抜く。


RUCKが5-0、アルコが6-0と、アルコが一歩リードながらもほとんど互角で折返した前半だったが、後半もこのペースで得点を重ねたのはアルコイリス。3.江口に続いて18.加藤もハットトリックを決めて前半と同じく6得点を追加し12-0の大勝。



RUCKは13.高尾が2ゴールに終了間際にフリーキックから9.北川も決めて3点を追加したものの、8-0と得失点差でアルコイリスに4ポイントをリードされた状態で大会1日目を終えた。


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第3節

MESSE SENDAI LADIES 0-20 福井丸岡RUCK
arco-iris KOBE 15-0 SC水都キングフィッシャー


どうしてもアルコvsRUCKの一騎討ちと感じてしまうグループCだが、初戦を勝利しているMESSEにもまだ可能性は残る。MESSEがRUCKに勝ち、アルコがSC水都に負ければ勝点6のMESSEが1位突破だが、とはいえ第2節の結果を見ればその可能性はやはり低いと言わざるを得ない。


得失点差はアルコが4ポイントをリードしている状態。12分ハーフでこの差をひっくり返すのは容易なことではないが、もしもSC水都がアルコ相手に1点でもゴールを決めればわからなくなる。


しかし結論としては、MESSEもSC水都も意地の1ゴールを奪うことはできず、両チームの総得点-1がそのまま得失点差となった。A,Bピッチで前後半24分で決まったゴールは35。よくフットサルは「1分あればゴールが決まる」などと言われるが、それでも二桁スコアは珍しい。

しかしこの日は正味時間で考えても平均して90秒に1回はどちらかのピッチでゴールが決まる大会史上、いや日本フットサル史上でも他に類を見ない壮絶な点の取り合いが繰り広げられた。


プレーイングタイムで行われるフットサルは同時にキックオフしても試合時間がずれていくので、デジカメに記録されている撮影時間を基準に当時の実時刻とゴールの推移を整理してみる。アルコが+12、RUCKが+8、4ポイント差でスタートした得失差争いは開始からRUCKが激しく追い上げるもすぐにアルコが突き放す展開が続いた。



第2節では高校生組も起用したものの8ゴールに留まったRUCKは、この試合FPを主力6人で回す。ほぼ出ずっぱりな高尾、北川はもちろん2.横山、7.田中もゴール。4ポイント差を埋める追い上げを2度見せるが…



追いついたと思えばすぐに突き放すアルコ。結局前半にはグラフの背景が赤くなる時間帯は一度もなかった。隣のコートを見ながらプレーしている選手などいないだろうが、それでも「点を取っても取っても追い抜けない」プレッシャーは感じていただろう。


終了間際ギリギリに13.高尾が決めて、総得点、得失点差、まったくの五分の状態でハーフタイムを迎える。もしもこのまま数字で現れる結果がすべて同じだったらどうなるのだろうか?この時間にパンフレットの大会要項を確認した観客は少なくなかったはずだ。(その場合は、ここまで両者とも警告も退場も出ておらずフェアプレーポイントでも互角なので抽選になっていた)




後半、開始直後に北川、高尾の連続ゴールでついにRUCKが得失点差でアルコを追い抜く。



今度はアルコがRUCKを追いかける展開に。お互い交互に2ゴールずつ決めていき、ぴったりマークで離さない。


後半8分頃に、RUCKの1ゴールに対してアルコは江口、加藤、関灘が連続3ゴール。再びRUCKを追い抜くと、そこからまた1ゴールずつ互いに決めてアルコが2ポイント差をキープする。




残り時間は2分を切り、このままアルコか?それともRUCKが追いつくか?というところ、なんと13.高尾茜利が90秒の間に3ゴール!




奇跡とも思える連続ゴールで最終的に丸岡RUCKが総得点29、得失点差+28。アルコイリスが総得点28、得失点差+27で試合は終了。ラスト90秒の逆転劇で丸岡RUCKが2年ぶりの準決勝進出を決めた。




この組み合わせが決まったときから一体どうなるんだろうとワクワクが止まらなかったグループC。結果的には、3試合目のラスト1秒までどっちが1位になるかわからないグループリーグとして本当に熱い展開になりました。


丸岡RUCKのゴールが決まるたびに応援席で繰り広げられた「えっさ踊り」。3試合で29えっさも踊った応援席もお疲れ様でした。



ただ、この2チームと対戦したMESSE SENDAIとSC水都キングフィッシャーには辛い内容となりました。12分ハーフにも関わらず20点も決まってしまうような試合を観たのは初めてでしたが、決して途中で試合を投げ出してしまうようなプレーの結果ではありません。パワープレーを長く続けたことはひとつの要因かもしれませんが、MESSEも水都SCも意地でも1点返そうと最後まで身体を張って戦っていたと思います。

しかしその結果がこのスコアというのはより厳しい現実を意味しているのかもしれませんが… 優勝候補が相手とはいえ、全国大会でこのスコアはできれば来年は見たくないなぁとも思ったのでした。

グループDに続きます。


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参考記事

【試合レポート】第14回全日本女子フットサル選手権1次ラウンドグループC/PANNA-FUTSAL   http://www.panna-futsal.com/2017/11/14th-alljapan-c.html

‪[女子選手権]グループC総括 大会史に残るゴールラッシュを見せた福井丸岡ラックがアルコイリス神戸を上回り4強へ‬/FUTSAL X
http://futsalx.com/lsenshuken2017groupc/

第14回全日本女子フットサル選手権大会が開幕! 注目の日本女子リーグ対決はドローに   http://www.jfa.jp/match/womens_futsal_2017/news/00015522/

第14回全日本女子フットサル選手権 4強が決定、初優勝をかけた決勝ラウンドへ    http://www.jfa.jp/match/womens_futsal_2017/news/00015525/


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