2020年12月19日(土)
浜松がF2に降格してからめっきりF1リーグを見る頻度が減ってしまいましたが、やっぱり年に1回は絶対王者・名古屋オーシャンズを見ておきたい。そんな軽い気持ちでやってきた小田原アリーナ。
しかし到着したのはキックオフ直前、いくら近いからってさすがに油断しすぎました…
電光掲示板に写る「＃ヒサと共に」のハッシュタグ。ここ最近のベルマーレには病と闘う久光選手を勝利で励まそうと、チーム一丸となっている雰囲気を感じます。この調子なら名古屋ともかなりいい勝負ができるのではという期待感！
※素人が撮った下手くそな写真ですが、それでも時間とお金を使って現地まで足を運び夫婦で一生懸命撮った写真です。適切な引用は歓迎しますが無断での転載・転送はご遠慮ください。
Fリーグ2020-2021 ディビジョン1 湘南ベルマーレ vs 名古屋オーシャンズ
2020.12.19 sat 13:00 小田原アリーナ (観客数 324人)
試合結果
湘南ベルマーレ 4-3 名古屋オーシャンズ
公式試合記
湘南得点者：10.ロドリゴ、44.本田、10.ロドリゴ、44.本田
名古屋得点者：11.星、34.平田、7.安藤
試合動画
タイの至宝・スパウットがFリーグデビュー！
湘南のスターティングファイブは11.林田、14.高橋、18.高溝、21.浦上、GKに87.フィウーザ。対する名古屋はGK1.篠田に8.ペピータ、11.星(翔)、14.西谷、そして、先日日本に帰化した6.アルトゥール。
ここまで開幕から10連勝、消化試合数が少ないにも関わらず首位を独走する名古屋オーシャンズ。しかし湘南は昨季最後の対戦、ちょうど1年前にここ小田原で名古屋に勝利しているいいイメージがある。
しかし先制は名古屋、キックオフからわずかに40秒。11.星(翔)の14.西谷と2人のコンビネーションからDFを左右に振られると、わずかに空いた中央のスペースから星がゴール。
出鼻を挫かれてしまった湘南ではあったが慌てない。今季の湘南のよさは何より守備にある気がする。誰が出ても、どんなセットでも守備で戦う気持ちを見せられるチームになった。
すると6分、カウンターから18.高溝が右サイドでボールを持つとタメをつくりながら中央に切り込むそぶりを見せ、さらにライン際を追い抜いて走る10.ロドリゴに絶妙なパス。
ロドリゴはこれを左足トゥーキックでファーポスト脇に突き刺し湘南が同点ゴール。
ゲームは同点となってますます激しさを増し、ファウルも嵩みがちに…とくに名古屋の39.平田を徹底マークする22.牧野は闘志むき出しだ。
そんな牧野の徹底マークにストレスを溜めていた平田だったが、その鬱憤を晴らすようなきれいな反転ゴールで名古屋が勝ち越し。牧野は積極的に前カットを狙ったことが裏目に出る形となってしまった。
勝ち越した名古屋はここで注目の9.スパウッドを投入。現役タイ代表のスパウットはこれがFリーグデビュー戦となった。アルトゥールが日本国籍を取得したことで、ピッチにはアルトゥール、ペピータ、スパウットが同時にピッチに立つことが可能となっている。
ペピータと交互にピヴォの位置に入るスパウットだったが、まずはシンプルなプレーに終始。まだまだ様子見といったところだろうか。
第1ピリオドはこのまま名古屋の1点リードで終了。ハーフタイムにはお馴染みとなった湘南ベルロックのパフォーマンス。今回はちょっとしたステージの上で歌唱してこちら側の席からも見やすくなっている。
また、吉本芸人「蓮華」が会場を笑わせる…というよりはその風船芸で関心させる。このFリーグロゴは会場のお客さんにそのままプレゼント。
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ジャッピーニャ、ロドリゴの連続ゴールでヒサに捧げる劇的逆転勝利！
名古屋の1点リードで迎えた第2ピリオド、まずチャンスつくったのは湘南。87.フィウーザのオーバーラップや、ワンツーからの7.荒木のシュートで名古屋ゴールを脅かす。
しかし次のゴールを決めたのも名古屋だった。27分、コーナーキックからまるでシュートのような弾丸パスにゴール前に飛び込んだ7.安藤がヘディングで合わせる。
うーん。やはり勝つのは名古屋なのか…？そう思いかけた直後の28分、右サイドを抜けたジャッピーニャことNo.44 本田真琉虎洲がGKのまさに肩口を抜く絶妙なループシュートで1点差に引き戻す。
2点差と引き離された直後のゴール、これが大きかった。「まだ行ける！」第2ピリオドに入ってから何度もチャンスを作っていた湘南の選手たちはこのゴールで一気に勢いに乗る。
31分には11.林田のパスに抜けだした10.ロドリゴがまたも左足トゥーキックで同点ゴールを決める。
ここまでのゴールはすべて右サイドからだった。この同点ゴールで会場のボルテージは最高潮、マスクをしているとはいえ歓声を上げるのを堪えることなんてできない…！
さらに32分にはジャッピーニャが左サイドを抜ける7.荒木をデコイに自ら反転シュートを決める。
ついに逆転！しかし試合時間はまだ7分も残っている。ここからの名古屋の鬼のような反撃を逃げ切ることができるか…？
名古屋はついに8.ペピータをGKに置いたパワープレーを開始。
まさに身体を張った、まさにチーム一丸となった決死のディフェンスで名古屋の攻撃を跳ね返す湘南。永遠にも思えるような耐え凌ぐ時間が続くが、しかし時計の数字は確実にゼロへと近づいていく…
最後には87.フィウーザの放ったパワープレー返しがタイムアップのブザーよりもわずかに遅くゴールネットに吸い込まれたところで試合終了。
”旧ルール”であればダメ押しのブザービーターとなっていたところだったが、今シーズンからこれはノーゴール。しかしそんなことよりも勝利の喜びに沸く湘南の選手たちだった。
いやー、いい試合観たなぁ！ここまで全勝の名古屋に今季初めて土をつけた湘南の皆さん、おめでとう🙌 絶対王者と呼ばれる名古屋を相手に湘南の選手たちはまさに鬼気迫るようなプレーをしていて、全身全霊でぶつかって、見事に逆転勝利！みんな本当に強くて本当にかっこよかった。
でもそれが逆に怖くて… なんでそんなに頑張れるんだろう。なんでそんなに必死になれるんだろう。なんで嬉しいはずの勝利のインタビューなのに、ジャッピーニャ選手は泣きそうなんだろう…
その答えは、翌日にわかりました。
久光選手はこの試合を自宅で観戦していて、同点ゴールの直後に息を引き取ったそうです。
「ヒサのために勝つ」
本当にその気持ちでみんなが一つになっていたんだろうな。その気持ちがあんなに湘南というチームを強くしたんだろうな。本当にすごい人だったんだな、久光重貴という選手は。
「Tシャツ買いましたよ。がんばって！」
その前の小田原アリーナで行われた横浜戦、会場に来ていた久光選手にそう声をかけたのが個人的には最後でした。ぼくの記憶にあるのは試合に出られるほど調子の良い時だから、元気で笑顔な久光選手ばかりなわけで… だから痩せ細って車椅子に乗っている姿はそれだけでショックでした。
あのとき掛ける言葉は「がんばって」で本当によかったのかな…
久光選手、長い闘病生活お疲れ様でした。
心よりご冥福をお祈りいたします。
＃ヒサと共に
この合言葉と共に湘南の選手たちはまだまだ戦い続けます。次の試合のシュライカー大阪戦も勝利し、4連勝。首位・名古屋まで勝点4差に迫り、この次は年明けにホーム小田原アリーナで、順位がひとつ上の立川･府中アスレティックFCと直接対決です！
Fリーグ2020/2021 Div.1
湘南ベルマーレ vs 立川･府中アスレティックFC
2021/1/9(土) 16:00
会場:小田原アリーナ
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