
フットサルと言えばサッカーよりも1対1の場面が多く、足下のテクニックを発揮する場面が多いスポーツだと思っている人も少なくないと思います。しかしコートが狭いフットサルでは逆に2人組、3人組でのチーム戦術や個人戦術を発揮する機会がサッカーよりも多いスポーツでもあります。
でもフットサルの戦術用語って難しいですよね。難しいですけど、戦術の名前とそれが指すプレーがわかると選手やチームの狙いがわかってフットサル観戦がもっともっと面白くなると思いますし、エンジョイプレーヤーは自分のプレー向上に役立つでしょう。
この記事ではそんなフットサル特有の戦術を紹介・解説していきたいと思います。今回取り上げるのはその中でも真っ先に憶えたい超基本的戦術「パラレラ」です。
※筆者はフットサル競技経験どころかサッカー部活経験もない素人です。もし誤解や間違いがありましたらブログコメントやツイッター、お問い合わせフォームからご指摘ください。
フットサル観戦が10倍面白くなる戦術講座 ~パラレラ~
パラレラってどんなプレー?
「パラレラ」とはポルトガル語で「平行」を意味する言葉。英語で言えば「パラレル」ですね。じゃあ何が何と平行なのか?というと、サイドラインとボールが平行ということ、つまりは「縦パス」を意味しています。

だけど縦パスを全部パラレラと呼ぶわけではなくて、主にサイドライン際で縦パスを呼び込むような“動き方”をすることをパラレラと呼びます。
基本形は図のように中央の選手(フィクソ)がサイドの選手(アラ)に横パスを出して、そこから斜めに走り抜けることで裏のスペースに縦パスを呼び込む2人組のパス交換戦術です。
ワンツーとパラレラってなにが違うの?
2人組でのパス交換といえば真っ先に思い浮かぶのが「ワンツー」です。「壁パス」とも呼ばれ、サッカーでもお馴染みですね。

「ワンツー」と「パラレラ」はなにが違うのか?図を見比べてみると、人が縦に動いて、ボールが斜めに動くのがワンツー。人が斜めに動いて、ボールが縦に動くのがパラレラと言うことができます。
中央の選手(フィクソ)がサイドの選手(アラ)に横パスを出したときに相手DFが中を切っていればフィクソが裏を狙ってそのままパラレラ、相手DFが縦を切っていればフィクソにボールを戻してアラが縦に抜けてワンツー。Fリーグの試合の中で、選手たちは一瞬の間にパラレラにするかワンツーにするか、そして別記事に書くジャゴナウにするかを判断しているはずです。

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ちなみに、戦術名にポルトガル語を使うことが多いフットサルでは「ワンツー」のことを「ウンドイス」と呼ぶ人もいるようですが、筆者はまだ出会ったことがありません。ワンツーはサッカーでも使う言葉なので、英語版が定着しているようですね。
パラレラからのゴールの実例
パラレラは基本的な戦術なのでFリーグなど競技フットサルの試合を見ていれば1試合につき1回は必ず使われているところを目にするはずです。実際にパラレラからゴールに至ったシーンの動画をいくつか引用します。
立川・府中アスレティックFCの皆本晃選手のプレー解説動画。ワンツーのフェイクからパラレラとマルキーニョ選手との2人組で自陣前から一気に相手ゴールに迫っています。
こちらも立川・府中アスレティックFCの皆本晃選手のプレー解説動画より。今度は手前側のサイドで浮き球パスによるパラレラ、皆本選手のトラップもめちゃうまです!
そしてこちらはユニアオU-15チームの試合動画より、サイドではなくコート中央でパラレラ的な動きをしています。「中パラ」とも呼ばれるようです。
それにしても、中学生にしてクアトロでのパス回しから見事なプレス回避。素晴らしいですね!
パラレラは個サルやエンジョイフットサルでも使える基本戦術!
パラレラはフットサルの基本中の基本とも呼べる戦術です。これを知っているかいないかで、個サルやエンジョイフットサルでもプレーに大きな差が出るでしょう。ここからはプレイヤー向けの解説動画も紹介します。
パラレラのパスを引き出す動き
「目指せ!Fの頂」で有名な中井健介選手の解説するフットサルテクニック動画。曰く、パラレラのパスを引き出すための動きには3つのパターンがあるとのこと。
- 相手のプレスが強い場合はシンプルに裏を狙う。
- サイドの選手にパスを出した後、ワンツーを狙うふりをしてからパラに抜ける。先の皆本選手の動画もこのパターン。
- サイドの選手にパスを出した後、一度離れる方向に動いてからマーカーの裏を通ってパラレラ。
パラレラのパスを出すコツ
今度はパスを出す側の注意点。できれば、パラレラのパスは少し浮かせて出すのが良いと言われています。
以前にアグレミーナ浜松に所属していた剣持貴充選手のクリニックで教わった内容では、パラレラのパスを浮かせる理由は3つあるそうです。
- シューターがパスに追いつく時間を稼ぐため。グラウンダーのパスだとどうしても球が走ってしまいがちのため。
- 少し弾んだボールの方がシュートを打ちやすいから。
- DFが縦を切って足を出してきても、浮かすことで通りやすいから。
このブログでは戦術解説以外にFリーグやフットサルの観戦記を書いています。こちらの記事もぜひ合わせてお読みください。
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