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【DELIZIA磐田レディースが初優勝!】第10回 FUTSAL地域女子チャンピオンズリーグ 準決勝・決勝

2023年2月19日(日)

2年ぶりに有観客開催された第10回 FUTSAL地域女子チャンピオンズリーグ、大会3日目の準決勝に進出したのはAグループ1位のバディフットサルクラブフィオーレ、Bグループ1位のアニージャ湘南、Cグループ1位のVoce e amador ladies /イナスタ、そしてワイルドカードでAグループ2位のDELIZIA磐田レディース。

大会最終日はノックダウン方式の決勝トーナメント。準決勝と決勝戦が行われます。1次ラウンド グループリーグの様子はこちら。



素人が撮った下手くそな写真ですが、それでも時間とお金を使って現地まで足を運び夫婦で一生懸命撮った写真です。引用の際には出典の明記とサイトリンクをお願いします。無断での転載・転送はご遠慮ください。


第10回 FUTSAL地域女子チャンピオンズリーグ 準決勝・決勝

準決勝 Aピッチ

バディフットサルクラブフィオーレ 2-1 アニージャ湘南

Aピッチでは大会初出場のバディフットサルクラブフィオーレと、前回王者・アニージャ湘南が対戦。


1次ラウンドでは3試合すべてでスターティングメンバーを変えてきていたアニージャだが、ここに来て1試合目と同じスタメンに戻してきた8.加藤、9.鈴木、14.松木、33.石内。これが4.小林を欠いたいまの布陣の中でのベストなファーストセットということだろう。

バディの方はこの大会不動のファーストセット。4.藤澤、6.田中、23.藤本、32.高橋のセットは女子Fのチームにも十分通用するのではないだろうか。

守備はお互いに前プレ、攻撃もお互い3-1、戦術が噛み合って両チームともなかなか狙い通りのプレーができず、決定的なチャンスがないまま立ち上がりの5分が過ぎる。

こういう展開の時に鍵となるのはセットプレーだ。6分にバディのコーナーキック、ニアサイドに走り込みながらパスを受けた32.高橋がピサーダでボールを後ろに流すと、フリーになった23.藤本が豪快に振り切る。


決めた本人も驚きの表情。この先制ゴールでバディが完全に勢いに乗る。

新体制となってから、こんなにも守備の時間が長いアニージャは初めて見た。それでも公式記録による第1ピリオドのシュート数はバディが14に対してアニージャが16とわずかに上回っているが、体感的にはかなり押された第1ピリオドだった。

試合は1-0でバディがリードしたまま第2ピリオドへ。すると立ち上がりの21分、今度はアニージャのコーナーキックから14.松木の折り返しのパスがバディのオウンゴールを誘い同点。

このゴールで今度はアニージャが勢いに乗る番だ。前半より明らかにリズムが良くなり、決定的なチャンスを何度も演出するが少なくとも2回はポストに嫌われ、さらにはね返りを連続シュートしても惜しくも外れるというシーンが何度も続く。

逆転は時間の問題と思われたのだが、次の1点がなかなか決まらないまま時間が過ぎていく…すると34分、アニージャ陣内でボールを取って取られてというガチャガチャした展開が続く中で、ゴール前での横パスがバディのプレスに引っかかり超ショートカウンターのピンチ。

このピンチに13.高橋がペナルティエリア内で相手を倒してしまい、バディにPKを与えてしまう。このPKを4.藤澤がしっかり決めてバディが勝ち越し。GK佐藤にとっては、シュートの方向までは読めていただけに悔しい失点だ。


残り5分で1点ビハインドとなってしまったアニージャは14.松木をGKに据えたパワープレーを開始。あの小野監督が何も準備をしていなかったわけはないが、しかしアニージャがパワープレーを見せるのは今季の公式戦では初めてのはずだ。

このパワープレーでも追いつくことはできず、アニージャ湘南がまさかの準決勝敗退。バディフットサルクラブフィオーレが初出場にして決勝進出を勝ち取った。


思わぬ形で今季ラストゲームの幕を閉じたアニージャ湘南。実はベスト4に残った他のチームはすべて3月の全日本女子フットサル選手権にも出場を決めており、アニージャだけがこの大会がラストだった。それだけに、5試合最後まで戦いたかっただろうし、戦うつもりでいただろう。それは多くの観客・サポーターも同じ気持ちだったはずだ。


準決勝 Bピッチ

Voce e amador ladies /イナスタ 1-3 DELIZIA磐田レディース

一方のBピッチでは、Cグループ1位のVoce e amador ladiesとワイルドカードで勝ち上がったDELIZIA磐田レディースの東海リーグ対決。

今季リーグ戦では2度ぶつかっている両者。その時はDELIZIAが2戦2勝しているようだが、連戦続く大会3日目では人数の少ないDELIZIAが体力的に不利なのではと思われた。

しかし第1ピリオドのシュート数はボセアマの22に対してDELIZIAは21とほとんど互角。PKやゴール至近での間接フリーキックなど、決定的なチャンスはむしろDELIZIAの方が多かった。しかし14.緒方の強烈シュートはボセアマ守備陣が身体を張って跳ね返す。

段々とスタミナの差が出て、DELIZIAが走り勝てなくなってくるのではないかと予想されたがとんでもない。攻撃に守備に足を止めないDELIZIA磐田。第1ピリオドは両者譲らずスコアレスのまま折り返し。


第2ピリオドもまたスコアレスのまま時間が過ぎていく。ただ、公式記録によるとシュート数には徐々に差がついてきてDELIZIAの方がボセアマの2倍弱のシュートを放っていた。


そして34分、ついにDELIZIAの「攻撃的守備」が実を結ぶ。相手陣内で2人掛かりでプレスを掛け、ボールを奪うと最後は角度のないところにNo.11 駒形奈々がスライディングで飛び込むシュート。これが決まってDELIZIAが先制!


ちょうど隣のAピッチでもアニージャがパワープレーを始めていた頃だった。ボセアマもすかさず44.市原をGKにパワープレーを始める。1次ラウンドはこれで逆転勝利を収めてきたが、細かいミスが続いてうまくボールを繋げられない。

ボセアマのシュートが外れ、GK上村がクリアランスを大きく投げ出したところでタイムアップ。死闘を制したDELIZIA磐田が決勝戦へと駒を進めた。


決勝戦

バディフットサルクラブフィオーレ 1-3 DELIZIA磐田レディース

決勝戦はバディフットサルクラブフィオーレ vs DELIZIA磐田レディース、1次ラウンドAグループ第3節の再戦という形になった。前日の対戦では激しい撃ち合いの末、6-4でバディが勝利している。

リベンジに萌えているはずのDELIZIA。このブログ的にも、小野監督と親交の深い千葉武監督に“仇”を討ってほしいところだ。


決勝戦はピッチを1面につくりなおして観戦しやすくなると期待していたのだが、Bピッチでそのままの実施となり結局手前ゴールは見えないまま… 男子のチーチャンや、女子でもいままでかみすや清原、栃木県南などでは決勝のピッチをつくりなおしていたので少し残念だった。



試合内容に話を戻す。キックオフからボールに対して激しいプレッシャーを掛け合う両者。まずはこぼれ球を拾ったDELIZIA 11.駒形が抜け出しファーストシュートを放つが、これはバディGK 15.犬嶋がワンハンドセーブ。


試合が動いたのは1分後、今度はバディが相手陣内での横パスをカットすると、4.藤澤が豪快に左足を振り抜き先制ゴール。

このゴールで勢いづいたバディがDELIZIAを押し込む展開が続くが、DELIZIAは守備の集中を切らさずこれ以上の追加点は許さない。5分を過ぎる頃にはまた中盤でボールを奪い合う拮抗した展開に。

第1ピリオドのシュート数はバディの11に対してDELIZIAは6。それでも何度かはバディのプレスラインの裏を突いてシュートチャンスをつくったが、よく1失点で持ち堪えたというべき前半戦だった。


優勝するには20分プレイングタイムフルの試合を3日間で5ゲーム勝ち抜かなければならない地域チャンピオンズリーグは、日本の競技フットサルの大会の中でもトップクラスにタフな大会だ。終盤になるほど、人数の少ないDELIZIA磐田の方が体力的には厳しいか…

それでも決して引いて守ることはなく、前からのプレス、積極的なミドルシュート、そして素早いプレスバックと自分たちのスタイルを貫き続けるDELIZIA磐田。しかし同様に圧力を掛けてくるバディのプレスに押し込まれ気味な時間が続く。


試合が動いたのは26分、DELIZIAのGK19.上村からのロングフィードを11.駒形がバックヘッドで逸らしてゴール。DELIZIAが同点に追いつく!まさかこんな形でゴールが決まるとは…配信カメラも油断していたのか、まったく映っていなかった(笑)


押し込みながらも同点に追いつかれてしまったバディは、ここで更に攻勢を強める。ダイレクトシュートを増やしてバンバン打ってくるが、これをDELIZIAはGK 19.上村を中心に懸命に守り抜く。


実はDELIZIAにはNo.12 前原りんごという日本代表候補にも選ばれたことのある正GKがいるのだが、怪我をしており本来はFP登録の上村がゴレイラを務めている。1点目のロングキックは本職FPならではのアシストだったということか。

そして我慢を続けたDELIZIAにビッグチャンスが!31分、バディのキックインからのチョンドンシュートをDELIZIAが身体を張ってブロックすると強烈なバックスピンが掛かったクリアボールがちょうど18.花谷の足元に。花谷はカウンターで一気に駆け上がるとGKとの1対1をしっかり流し込んで、ついにDELIZIAが逆転する!!


それでもまだ時間は8分ある。逃げ切るには長い時間だ。まさに雨のようにシュートを浴びるDELIZIAゴール、強烈なシュートがクロスバーに当たってラインを割ったに見えたシーンもあったがこれは寸前のところで掻き出した。


すると35分、1失点目のお返しとも言える形でDELIZIAが相手陣内で横パスをカットすると8.髙橋がそのままシュート。これが決まってDELIZIAが優勝に近づく大きな大きな3点目!!!


2点差と引き離されてしまったバディだがシュート自体は打てているためかパワープレーはせず、通常のセットで最後までゴール狙う。しかし、GK上村の神セーブに加えて疲れが足にきているか?ミドルシュートがあとボール1個分ずれる。ファー詰めがあと一歩届かない。そんなシーンが続く。

そしてついにこの瞬間が訪れた。DELIZIA磐田がグループリーグの借りを返して3-1と逆転勝利。第2ピリオドのシュート数はDELIZIAの8に対してなんとバディは25本。3倍以上の差がついたが、しかし決まったゴールはDELIZIAの3得点だった。


第10回 FUTSAL地域女子チャンピオンズリーグ 最終成績


優勝:DELIZIA磐田レディース

準優勝:バディフットサルクラブフィオーレ

第3位:アニージャ湘南

第3位:Voce e amador ladies /イナスタ

得点王:加藤伊吹(アニージャ湘南)

最優秀選手:上村綾(DELIZIA磐田)



ということで、優勝はDELIZIA磐田レディース!

少ない人数ながら最後まで「DELIZIAらしさ」を貫き走り切りました。DELIZIAとはイタリア語で「歓喜」の意味。ついに掴んだ歓喜の瞬間でした。選手のみなさん、千葉監督、男子チームも含めてDELIZIA磐田として初の全国タイトル獲得おめでとうございます!!


前回王者アニージャ湘南は準決勝で敗れ第3位。

小野さんとアニージャの最後の戦い。結果は思い描いていたものになりませんでしたが、それでもこの3年間築いてきた成績は素晴らしいものでした。

大会3日間を通して、選手たちが小野さんをリスペクトしてくれているのが見ていても伝わってきて嬉しかったです。おつかれさまでした。



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