2018年11月18日(日)
この日は富士通スタジアム川崎に日本アンプティサッカー選手権を観にいってきました。
アンプティサッカーとは腕や脚を失った人たちのサッカー。フィールド上では普段つけている義手義足を外してGKは片腕でゴールを守り、FPはクラッチと呼ばれる松葉杖で身体を支えて片脚でボールを蹴ります。
しかし障がい者スポーツと思って侮るなかれ。たとえ両脚が使えたってぼくなんかには到底真似できない、アスリート達のスーパープレーが繰り広げられるのです。
ここ川崎で2011年に始まったこの大会も今年で8回目。そのうちの約半分を観てきたことになります。はじめはフットサルコートを3面繋げて行われていましたが、こんな立派なスタジアムで開催されるようになって参加チームは9に増えました。
しかしこのうちのTSA FC & ガネーシャ静岡AFCとONE TOP & Asilsfida北海道AFCは合同チームでの参加ということで、今年は7チームを2つに分けてのグループリーグと決勝トーナメントという少し変則的な形となります。
大会1日目グループリーグの結果一覧。やはりそれぞれのグループで1位となったのはFC九州バイラオールとFCアウボラーダ。A-pfeile広島AFCが4チーム中で2位となったのは、一昨年までの印象からすると個人的にはサプライズでした。
このグループリーグの順位に基づいて、この大会2日目には決勝トーナメントが行われます。2日目も全チーム必ず1試合は組まれているのは観る方にもプレーする方にもありがたいですね。そのかわり第1試合は9:30からとめちゃ早いですけど😅
※素人が撮った下手くそな写真ですが、それでも時間とお金を使って会場まで通い夫婦で一生懸命撮った写真です。適切な引用は歓迎しますが無断での転載・転送はご遠慮ください。
第8回日本アンプティサッカー選手権大会2018 決勝トーナメント
2018.11.18 sun 9:30-14:30 富士通スタジアム川崎
7位決定戦 AFC BumbleBee千葉 0(3PK4)0 合同チーム②
AFC BumbleBee千葉と、ONETOP、Asilsfida北海道そしてアウボラーダネクストの選手たちで構成される合同チーム②の試合。
スコアレスで迎えた終盤、ロスタイムに合同チームが大チャンスを迎えるも決めきれずタイムアップ…あまりに惜しかったシュートに思わず崩れ落ちてしまう選手たち。
15分ハーフの順位決定戦では延長戦はなくいきなりPK戦へ。
そのままの勢いでPK戦を制した合同チーム②が勝利!5位決定戦でもう1試合戦えることになった。
最下位となってしまったBumbleBee、10番の古城選手が出場していなかったのが気になった。遅刻してしまって観れなかった前半には出ていたのだろうか?
準決勝第1試合 FC九州バイラオール 6-0 A-pfeile広島AFC
バイラオール強し!10.萱島と11.星川の代表ツートップが立ち上がり早々に連続ゴールを決めると、
元広島の18.天川も古巣相手に2ゴール。危なげなく広島を退け、第1回大会以来8回連続の決勝進出を決定。
しかしA-pfeile広島も後半にはバイラオールのゴールに迫る時間帯もかなりあり、チームとして成長していることが窺えた。
準決勝第2試合 関西Sete Estrelas 0(2PK3)0 FCアウボラーダ
もうひとつの準決勝はアウボラーダが攻めるもセッチが粘り強く守る展開。準決勝は20分ハーフで行われたが、それでもゴールは決まらずスコアレスでPK戦へ。
PK戦ではGK長野選手が相手シュートを2本ストップする活躍でアウボラーダが勝利。こちらは5回連続での決勝戦進出。
アウボラーダの10.エンヒッキ選手のプレーはやはり次元が1つ違ったが、
しかし関西セッチの9.近藤選手も上手かった。聞けばまだ高校生だそうで、今後が楽しみな選手だ。
5位決定戦 合同チーム① 0(1PK3)0 合同チーム②
FUT-LOG的には静岡のガネーシャAFCと神奈川のTSA FCの合同チームということで、合同チーム①を推していたが、
この試合もまた、スコアレスでPK戦へ。2試合連続でPKを制した合同チーム②が5位となった。
合同チームは背番号がパンフレットに載ってるのと同じ選手ばかりではないようで、名前がわからない選手も何人か。
3位決定戦 関西Sete Estrelas 4-1 A−pfeile広島AFC
3位決定戦では準決勝で気になっていた9.近藤選手と、25.川西選手が2得点ずつゴール。
4-1で関西セッチが勝利。惜しくも決勝には進めなかったが3位の座を獲得。
しかし広島も意地の1ゴールを返す。個人的には、A-pfeile広島のゴールを初めて観ることができたのでよかった。
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キッズチアリーディンククラブBambiesのパフォーマンス
決勝戦の前には地元川崎のキッズチアリーディンククラブ「Bambies」のチアパフォーマンスが。
その可愛らしさに油断していると予想外なレベルの高さに驚かされる。調べてみれば、なんと世界大会でも優勝しているほどの強豪チームのようだ。
KKC Bambies|川崎キッズチアリーディンククラブ バンビーズ
そしていよいよ決勝戦の選手入場。FIFAアンセムに乗り、会場に集まった人たちの手形で彩られたハンドスタンプフラッグとともに入場すると、エスコートキッズからのチアブーケプレゼントやキックインセレモニーなど、決勝戦を盛り上げる演出もこれまで以上に多く見られた。
決勝戦 FC九州バイラオール 2-0 FCアウボラーダ
昨年覇者のFC九州バイラオール。第3回大会での初優勝からまだ選手権で連覇をしたことはない。これまでになく充実した戦力で、悲願達成なるか?
対するFCアウボラーダは5月のレオピン杯では優勝し日本一となっている。ここで雪辱を晴らし、国内タイトル2冠を達成したい。
試合の立ち上がり、まず攻めたのはアウボラーダ。日本アンプティサッカーの始祖、エンヒッキ松茂良ジアスが何本もロングシュートを放つ。しかしそれだけバイラオールのDFを崩しきれていないことの裏返しなのかもしれない。
技術、スピード、そして当たりの激しさも今までと一段二段違う決勝戦。
ゲームが動いたのは前半残14分、10.萱島とのワンツーでGKと1対1になった11.星川がそのまま決めて先制はバイラオール!!
ここまで互い違いに優勝している両者だが、ついにバイラオールが連覇を果たすのか?それともアウボラーダが逆転なるか!?
後半、逆転を目指すアウボラーダが相手ゴールに猛烈なプレッシャーをかける。押し込まれ気味のバイラオールだが、これを全員守備で跳ね返す。
そんな苦しいときにゴールを決めるのがエース!後半残13分に相手のセットプレーをカットするとカウンターで11.星川が左サイドを独走、カットインからこの試合2得点目のゴールを決めてバイラオールがリードを広げる。
試合時間に差はあったものの、グループリーグを1試合多く戦いこの日の準決勝もPKまでもつれる接戦。さらに決勝戦までのインターバルも短かったアウボラーダはスタミナ的に厳しかった部分はあるだろう。
対するバイラオールは前述の要因に加えて18.天川の加入が大きく効いているように見える。10.萱島、11.星川と合わせて個人で打開できる選手が3人揃ったことでツートップに張る選手をローテーションすることができ、大会を通じたスタミナのマネジメントができるようになった。
時計は既に0:00を指しアディショナルタイムへ(アンプティサッカーの時計はフットサルと同じカウントダウン制なのに、ランニングタイムでロスタイムがあるところが不思議な感覚)アウボラーダは最後のコーナーキックに賭ける。
このボールがゴール前に入るが…
押し込むことはできず、これをGK東が押さえたところでタイムアップ!
アウボラーダの追撃を振り切り、FC九州バイラオールが4度目の優勝にしてチーム史上初の連覇を達成した!!
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第8回 日本アンプティサッカー選手権大会 最終成績
優勝:FC九州バイラオール
準優勝:FCアウボラーダ
第3位:関西Sete Estrelas
第4位:A−pfeile広島AFC
第5位:合同チーム②
第6位:合同チーム①
第7位:AFC BumbleBee千葉
MVP:星川 誠選手(FC九州バイラオール)
得点王:川西 健太選手 7得点(関西Sete Estrelas)
最優秀GK賞:東 幸弘選手 無失点(FC九州バイラオール)
特別敢闘賞:大内 秀真選手 最年少ゴール(関西Sete Estrelas)
というわけでFC九州バイラオールの2連覇で幕を閉じた8回目の日本アンプティサッカー選手権大会。閉会式で感じたのはどの来賓の方々の挨拶も素晴らしかったなぁ、と。簡潔な挨拶の中に選手への競技への、そして運営スタッフへの愛とリスペクトをきちんと感じました。ここ川崎が日本アンプティサッカーの聖地として今後も大会が発展していってほしいなと思います。
バイラオールの選手のみなさん、そしてそれを支えてきたご家族・サポーターのみなさん、おめでとうございます。また来年も川崎の地で観戦できることを楽しみにしています(^^)
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