2020年2月21日(金),22日(土)
2月21日(金)から3日間、かみす防災アリーナで開催された第7回 FUTSAL地域女子チャンピオンズリーグ。全国9地域のリーグチャンピオンが12チーム集まる女子フットサルの日本一を決めるシーズン最後の大会です。
この記事では1次ラウンド、グループリーグの様子を観戦記としてまとめます。
なるべく出場全12チームに触れようとしたら、かな~り長い記事になってしまったので先に優勝チームを知りたい方はこちらをどうぞ。
会場のかみす防災アリーナの詳細情報はこちらをどうぞ。
※素人が撮った下手くそな写真ですが、それでも時間とお金を使って会場まで通い夫婦で一生懸命撮った写真です。適切な引用は歓迎しますが無断での転載・転送はご遠慮ください。
第7回 FUTSAL地域女子チャンピオンズリーグ 1次ラウンドグループリーグ
2020.02.21-22 かみす防災アリーナ
公式試合記録
グループA:日本リーグ勢が揃った“死のグループ”を勝ち抜いたのはSWHL!
第1試合
さいたまSAICOLO 2-4 SWH Ladies futsal club
エスポラーダ北海道イルネーヴェ 0-7 福井丸岡RUCK
関東リーグ2位でこの大会に参加するサイコロと、関西リーグであのアルコイリス神戸を破って優勝したSWHレディースの対戦。SWHLは来季より日本女子フットサルリーグへの参入が発表されている。
この対戦を観るのはユニアオカップ以来の10ヶ月ぶり。その時は点差以上の完敗感があったが、お互い慎重に入った立ち上がりはまずは互角の様相。
しかし前半10分、スピードが緩かったことが逆にGKのタイミングを外したか?ファーポストまでパスが通ってしまい9.江川がこれを倒れ込みながらのスライディングで押し込み先制はSWHL。
さらに16分にはコーナーキックでなぜか一番危険な3.江口をフリーにしてしまいミドルシュートを決められる。
連続失点にもタイムアウトを取らなかったサイコロはなかなかリズムを取り戻すことはできない。前半終了前のキックインでようやくタイムアウトを取ったがチャンスに繋げることはできなかった。
巻き返しを図りたい後半だったが開始1分でDFUT WINGSからSWHLへの移籍が発表されたばかりの18.窪田美月にゴールを許し、ついに3点差…
23分にもクリアミスのボールをまたも18.窪田に決められたと思ったら、最後に3.江口が触ったか?とにかくこれでビハインドは4点に…
リードを広げたSWHLはサードセットを起用してくると、カウンターから7.秋田谷が1点を返したもののまだ3点差。
せめて同点に追いつきたいサイコロは7.秋田谷をGKにパワープレーを敢行。
するとSWHはパワープレーのディフェンスには慣れていないようで、36分に14.笠井がゴール。このペースなら追いつくことも十分可能かと思われたが、これ以上のゴールは生まれずタイムアップ。
一方のBピッチでは福井丸岡RUCKが同じ日本女子フットサルリーグに所属するエスポラーダ北海道イルネーヴェに7-0と完勝。前半は0-1と食らいついていた北海道だったが、後半はパワープレー返しを受けるなど失点を重ねてしまった。
第2試合
さいたまSAICOLO 0-3 福井丸岡RUCK
SWH Ladies futsal club 10-2 エスポラーダ北海道イルネーヴェ
初戦を落としているサイコロは決勝ラウンド進出に崖っぷち、2戦目の相手は公式戦でまだ勝ったことのない丸岡だがやるしかない!意外と選手たちはリラックスした雰囲気。
1戦目では7.秋田谷、8.筏井、12.吉林の3選手に出場時間がかなり偏った。しかしこの試合では3人を分散させて3セットが満遍なく出場しているサイコロ。GKは怪我の影響もあり今季出場機会が少なかった20.小谷。
丸岡のベンチにコーチとして入るのは元アグレミーナ浜松の江藤正博氏。試合のベンチに入るのは初めて見たが、月に1回ほど福井まで赴いて定期的に指導しているらしい。
惜しいシーンもつくっていたサイコロだったが、9.北川に反転ミドルシュートを決められて先制は丸岡。前半は0-1で折り返し。
1点差で迎えた後半だったが、立ち上がりに右サイドタッチライン際、角度ゼロからの18.北嶋のシュートがクロスバーを叩いてゴール。
さらに27分には激しく続いたカウンター合戦のあと飛び出たGKもワンツーで外され3.横山(凛)が無人のゴールに流し込む。ビハインドは3点に…
残り6分ごろからパワープレーを始めたサイコロ。12.吉林が、3.松本が、10.堀田が再三決定的チャンスをつくったが、1点も返すことはできずタイムアップ。
2敗目を喫したサイコロはこれで1次ラウンド敗退が決定してしまった。
Bピッチでは日本リーグ所属のエスポラーダ北海道イルネーヴェがSWHLに一度は追いついたが、
最終的にはSWHLが大量10得点を挙げて快勝。第3試合では丸岡と勝点6同士の直接対決となる。
第3試合
さいたまSAICOLO 3-3 エスポラーダ北海道イルネーヴェ
SWH Ladies futsal club 1-0 福井丸岡RUCK
多くの人はBピッチが気になるところだろうが、ここはサイコロの今季ラストマッチを見届けたい。もう失うものはなにもない、すべてを出し切ろう!!
しかし最後に勝って終わりたいのは北海道も同じだろう。日本リーグ所属チーム同士の意地を賭けた一戦。
3試合目のGKは15.新井裕子、これで大会前に怪我を負った21.深作を除いては全員のゴレイラが出場した。
日本リーグの対戦ではサイコロが負けたことはない北海道、試合は前半4分に8.筏井のゴールで先制。サイコロにとってはこの大会で初の先制点だ。
これまでの2試合が嘘のように、前線から積極的なプレスをかけるサイコロ。試合の主導権をほとんど渡さず、北海道の3倍に及ぶシュートを放つ。
前半終了間際の17分にCKからのサインプレーで6.木原→11.吉川→7.秋田谷ときれいに繋いで追加点。2点リードで前半を折り返す。
更に後半23分には左サイドを駆け上がった7.秋田谷がそのまま放ったシュートが決まって3点目。セーフティーリードを確保したはずだった…
しかし35分に7.北林、36分には23.大久保と、連続ゴールを許し1点差に…
こうなると完全に勢いに乗ってしまったエスポラーダ北海道。37分には3.齋藤が股抜きゴール。なんとたったの3分間で同点に追いつかれてしまう。
この勢いで逆転を目指す北海道がパワープレー、パワープレー返しを受けリスクを下げるために安易にシュートは打たず、ギリギリまでパスを回して時間を使い最後のチャンスに賭ける作戦だろう。
パワープレーを決めさせこそしなかったが、反撃する時間を削がれてしまったサイコロ 。このまま3-3でタイムアップ。木原梢と吉川紗代、引退する2人の最後を勝利で飾ることはできなかった。
一方のBピッチでは丸岡RUCKがハーフに引いて守りに徹していた。他の2グループから「勝点7の2位」が出る可能性はなく、引き分けでも決勝ラウンドには進出できる。
スコアレスの焦れる展開が続いていた36分、丸岡のディフェンスをこじ開けたのはSWHL 3.江口。大会前に負った怪我のためにずっと温存していた13.高尾を出してきた丸岡だったが、残り時間はあまりに短く0-1で敗戦。
SWHレディースが3連勝で勝ち抜け
死のグループと言われたグループAだったが、蓋を開ければSWHレディースが3連勝。前年チャンピオンの丸岡RUCKも退け、3試合中2試合はFP全員を出場させながらの勝利など選手層の厚さも見せつけた。
SWHLに敗れ勝点6留まりとなった丸岡RUCKの得失点差は+9。準決勝進出の可否は他グループの結果を待つことになった。
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グループB:初タイトルを目指す府中AFCにgangが喰らいつく!
第1試合
府中アスレティックFCプリメイラ 1-0 member of the gang
松山城北FC 0-6 アレグリカミーニョ
このグループでは東海リーグチャンプのmember of the gangに注目。日本リーグ参入から急成長を遂げた府中AFCを相手に番狂わせを起こすことができるか?
ゴレイラ佐藤を中心に粘り強い守備を見せるgang。なるほど、東海1部リーグを全勝優勝したのも納得のインテンシティの高さだ。
それでも府中を相手には守る時間が多くなってしまうが、時折見せるカウンターから惜しいシュートも放つ。前半はスコアレスのまま折り返し。
後半に入ってさらに粘り強さを増すgangのディフェンスになかなかシュートまで持っていけない時間が続いていた府中。しかし27分、9.千田のドリブルシュートがGKの股を抜きついに先制!
この1点を守り切った府中AFCが辛勝。gangもラスト1秒まで相手ゴールを脅かしたがネットを揺らすことができなかった。
Bピッチではアレグリ カミーニョが松山城北FCに6-0で快勝。松山城北はベンチ入りメンバーが5人しかおらず、交代なしで全国レベルを相手に20分プレイングハーフを戦うのは厳しいだろう。
第2試合
府中アスレティックFCプリメイラ 2-0 ALEGRE CAMINHO
member of the gang 11-1 松山城北FC
Aピッチは1勝同士の直接対決。勝った方が決勝ラウンド進出に王手となる。
試合開始1分で9.千田のゴールで府中が先制。しかしカミーニョも惜しいチャンスはつくっている。
後半に19.紙谷のゴールでもう1点を重ねた府中AFCがそのままカミーニョを退けて2連勝。もし次戦で負けたとしても、勝点6で並ぶ可能性のあるあgangとカミーニョには直接対決で勝利しているため、この時点で1位となることが確定した。
Bピッチではgangが大会2日目になってもやはりベンチ入りが5人しかいない松山城北に11得点を荒稼ぎして大勝利。初戦を落としワイルドカードに賭けるしかなかったgangにとって非常に大きな意味を持つ試合になった。
第3試合
府中アスレティックFCプリメイラ 6-1 松山城北FC
member of the gang 7-2 ALEGRE CAMINHO
府中の勝ち抜けが確定している第3試合の注目は2位争い。Aグループ2位の丸岡が勝点6で得失差+9のため、gangは勝ちさえすればワイルドカードの可能性がかなり高まる。
前半は4-2でgangがリードするが、アレグリカミーニョも追いすがる。もし引き分けなら両チームともに可能性は潰えるが…
後半にも3得点を追加したgangが7-2で勝利。
得失点差を+14として、ワイルドカードでの決勝ラウンド進出をほぼ決定的なものにする。
府中は松山城北FCを6-1で下してしっかり三連勝。女子Fリーグ プレーオフ以外では初めて全国大会でベスト4まで進出を決めた。
グループBも府中アスレが3連勝
gang、AREGLE CAMINHOには苦しめられたが、それでもしっかりと3戦全勝で決勝ラウンドへ駒を進めた府中アスレティックFCプリメイラ。
2位につけたのはmember of the gang、松山城北FC相手の10点差が効いて得失点差は+14。この時点で丸岡RUCKの+9を上回り、ワイルドカードの可能性がかなり高くなった。
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グループC:優勝候補筆頭・国内2冠を目指す浦安が好発進
第1試合
バルドラール浦安ラス・ボニータス 4-0 MINERVA
Vigor 1-4 ALogar2005
来シーズンから日本女子フットサルリーグに参戦するミネルバ宇部、どんなチームだろうか?とりあえず雰囲気は良さそうだ。
18.平井のゴールで先制は浦安。
ミネルバは浦安の前プレをなかなかかわすことができないでいるが、一方でフィジカルベースは高くパスやシュートのスピードも高い。基本的なフットボールスキルは十分にあるチームと感じた。前半は1-0の浦安リードで折り返し。
食らいついていたミネルバだったが、後半開始早々に15.伊藤果穂の13mミドル弾で追加点を許すと、今季限りの退団が発表されている13.一井にも決められて連続失点。
浦安は普段とセットの組み合わせを変えて疲労度をコントロールしながらも、8.宮原がダメ押しの4点目を決める。
全日本選手権チャンピオンの浦安がミネルバを寄せ付けず完勝。
一方のBピッチではALogarが10.小林のゴールで先制。1-0リードで前半を折り返す。
後半Vigorに1点を返されるものの、3点を追加したALogarが勝利。次戦で浦安と1勝同士の直接対決に挑む。
第2試合
バルドラール浦安ラス・ボニータス 3-0 ALogar2005
MINERVA 5-2 Vigor
グループCの第2試合も初戦を勝利した同士の対決。昨年、丸岡RUCKが優勝したことで北信越第2代表として出場できたALogarだが、優勝候補の浦安を相手に健闘を見せる。
特にGK 64.本田加奈選手がすごかった。浦安の怒涛のシュートをことごとくセーブ。前半だけで25本ものシュートを受けながらも無失点に抑え、前半はスコアレスで折り返す。
後半も浦安が圧倒的に攻めるも決まらない展開が続く。ALogarにとっては相手に焦りの色が見え始めた頃にカウンターで一発決められれば…というところだったが、相手はさすがの選手権王者。そうは問屋が卸さなかった。
26分には浦安がついに均衡を破る!決めたのは18.平井成美。
さらに31分、16.中井のゴールで浦安が追加点を上げると、
残り時間1分には退団が発表されている23.堂道のゴールが決まって3-0の勝利。府中と同じく、勝点6で並ぶ可能性のある両チームに直接対決で勝利しているため、この時点で決勝ラウンド進出を決定した。
Bピッチのミネルバ vs Vigorはシーソーゲームの様相となる。まずはミネルバが先制するが、
そこからVigorが逆転して前半は2-1のVigorリードで折り返し。
しかし後半はミネルバが連続ゴールで再逆転。最終的には5-2として、今大会初勝利を挙げている。
第3試合
バルドラール浦安ラス・ボニータス 1-1 Vigor
MINERVA 7-3 ALogar2005
浦安はすでに決勝ラウンド進出を決めているので、この試合の注目はワイルドカード争いとなる。
グループA 2位の福井丸岡RUCKは勝点6・得失差+9、グループB 2位のmember of the gangは勝点6・得失差+14。これを上回るためにはミネルバは16点差、 ALogarは15点差をつけて勝利しなければならない。
不可能に近いと思われた状況だったが、ミネルバが怒涛のゴールラッシュを見せる。4分、5分に連続ゴールを挙げると、14分からもゴールラッシュ。前半だけで6得点を挙げた。
このままのペースでゴールを重ねられれば16点差も不可能ではないかも!?と思わせてくれたが、後半は流石に失速。逆にALogarに2点を返され最終スコアは7-3でフィニッシュ。ベスト4進出はならなかったが全国大会で2勝を挙げ、日本女子フットサルリーグ参入への手応えを掴んだ大会になっただろう。
Aピッチではターンオーバーでメンバーを大きく入れ替えた浦安がVigorを相手に1-1で引き分けている。
ターンオーバーしつつ浦安が勝ち抜け
2勝1分で勝ち抜けたのは優勝候補のバルドラール浦安ラス・ボニータス。3連勝とはならなかったが、すべての試合でFP全員を出場させ、疲労度をマネジメントしながら必要な勝点をきっちりと積み上げた。
2位は来シーズンから「ミネルバ宇部」として日本女子フットサルリーグに参戦するMINERVA。第3試合前半では6ゴールを挙げたが後半失速し、得失点差は+3に留まりワイルドカード獲得とはならなかった。
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ベスト4進出はSWHL、府中AFC、浦安、そしてgang!
ということで、第7回 FUTSAL地域女子チャンピオンズリーグ 準決勝に進出する4チームは以下の通りとなりました。
【グループA】
SWH Ladies Futsal Club
【グループB】
府中アスレティックFCプリメイラ
【グループC】
バルドラール浦安ラス・ボニータス
【ワイルドカード】
member of the gang
グループBからワイルドカードが出たので、準決勝の組み合わせは府中AFC vs 浦安の関東・日本リーグ対決とSWHL vs gangの関西/東海対決となります。女子フットサル日本一、今季最後のタイトルを獲るのはどのチームだ!?
ありがとうサイコロ劇場
さいたまSAICOLOにとってはこの大会が今シーズン最後にして唯一の日本一を目指すチャンスでしたが、結果は1分2敗で1次ラウンド敗退。
最後の試合も3点リードを追いつかれてしまい、引退する2人のラストを勝利で飾ることはできませんでした。
小野直樹監督の就任をきっかけに見始めたさいたまSAICOLO。関東リーグ初優勝も、初の全国大会出場も、地域CLで3位になったときも、選手権や女子Fリーグでの準優勝も見届けてきました。
きっかけは小野さんだったけど、でも別に5年間ベンチだけを観るために西へ東へ行ってたわけではありませんからね。身体はひとつしかないからこれまで程とはいかないけれど、今後も気に掛けていきたいと思ってますよ。吉川紗代選手、木原梢選手、お疲れ様でした。残った選手たち、まずはゆっくり身体を休めて来シーズンも頑張ってください🎲
なんだかしんみりしちゃいましたがブログとしては大会3日目、準決勝&決勝戦のレポートに続きます!
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