2021年3月7日(日)
今年の全日本フットサル選手権決勝は新型コロナウィルス感染拡大の影響もあってか代々木や駒沢ではなく、我らがホーム浜松アリーナで開催。
トップレベルのフットサルが浜松アリーナで観られるなんて!アグレミーナ浜松がF2に降格してしまってからはなかなかない機会です。感染予防には十分気をつけながら、会場には多くのフットサルファンが集まっていました。
土曜日に行われた準決勝第1試合はトルエーラ柏がバサジィ大分に6-5で勝利。後半巻き返した大分でしたが、第1ピリオドの最初にミスから連続失点を喫したのが痛かった。これで柏は浦安、名古屋、大分とF1チームを相手に下剋上で3連勝。
準決勝第2試合、ペスカドーラ町田とフウガドールすみだの対戦は打って変わって締まった試合に。堅い展開の中でもすみだが2点をリードしますが、終盤に町田が追いつくと、続く延長戦でも一気に流れが町田へと傾きます。しかしその猛攻を凌ぎきったすみだがPK戦を制して決勝進出。
ということで、決勝のカードはトルエーラ柏とフウガドールすみだの対戦に。浜松で初めて開催される日本一を決める大会。このトロフィーを手にするのはどちらのチームでしょうか!?
え?ここがホームのアグレミーナはどうしたかって?
1回戦で地域リーグのチームに負けました…
※素人が撮った下手くそな写真ですが、それでも時間とお金を使って現地まで足を運び夫婦で一生懸命撮った写真です。適切な引用は歓迎しますが無断での転載・転送はご遠慮ください。
JFA 第26回全日本フットサル選手権大会 決勝戦 トルエーラ柏 vs フウガドールすみだ
2020.03.07 sun 14:00 浜松アリーナ (観客数 667人)
試合結果
トルエーラ柏 1(延長5-1)1 フウガドールすみだ
公式試合記録
柏得点者:4.サカイ、8.佐藤、12.内野、8.佐藤、22.岩永
すみだ得点者:21.鬼塚
試合動画
F2リーグを全勝優勝。そしてこの全日本選手権でも絶対王者・名古屋に競り勝ち、すでにその実力はF2レベルの域を超えていることを十分に示したトルエーラ柏。ここまで来れば狙うはひとつ、日本一のタイトルのみ。
リーグ戦では6位に終わったフウガドールすみだだったが、しかし最後の最後に日本一に王手を掛けた。15年間チームを指揮してきた須賀雄大監督のラストマッチを優勝という花道で飾れるか!?
第1ピリオド:両チーム慎重な立ち上がり、前半はスコアレスでの折り返し
柏のスタメンはGKに22.岩永、FPに4.サカイ、7.松原、12.内野、16.野村。DELIZIA磐田やアグレミーナ浜松にも在籍歴のある内野脩麻がかつてのホーム・浜松アリーナでの決勝の舞台でスタメン出場。
すみだのスタメンはGKに1.大黒、FPに4.諸江、6.宮崎、9.森村、10.田口。こちらの元アグレミーナ浜松、GK石黒には出場機会はなかった。
柏は3-1と4-0をセットによって使い分け、すみだはファーストセットでもセカンドセットでも3-1のシステム。ここまで積極的な前プレでF1の格上チームに勝利してきた柏だが、この試合では比較的引き気味。対するすみだもハーフコートプレスを敷いていて、慎重な立ち上がりに見える。
すみだは11.畠山、21.鬼塚、24.北村、36.中田の若手セットが鍵を握るだろう。どうしてもこのセットの時には守備的な時間が長くなるが、その中でもチャレンジングなパスも何本か見られた。
先に決定機をつくった柏、フィクソからのロングパスに抜けだした元アグレミーナ浜松・中村友亮がGKと1対1に。準決勝大分戦の先制ゴールを彷彿とさせるシーンだったが、放たれたシュートはわずかにゴール右に外れた。
第1ピリオドのシュート数は柏が8にすみだが7、両チームとも準決勝に比べれば約半分の数字だ。連戦の疲労もあるだろうし、ここまで来たら負けたくないという心理もあるだろう。慎重な立ち上がりとなった第1ピリオドはスコアレスで折り返す。
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第2ピリオド:柏・サカイのゴールが均衡を破るも、終了間際にすみだ・鬼塚祥慶の同点弾!
第2ピリオドに入ると、最初はハーフコート気味だったすみだのプレスラインが徐々に上がり始める。その結果、すみだのシュートが増えてきたか?というところだったが、先制ゴールを決めたのは柏。27分、4.サカイのミドルシュートがGKの後ろに抜けてゴールイン。
ここから試合が動き始める。第1ピリオドに比べトランジションが多くなり、両チームともにシュート数も増え始める。
日本一を掛けた決勝戦、球際の競り合いも激しい。お互い激しい連戦を闘ってきての決勝戦、身体も相当きついはずだ。
1点差を追うすみだは試合時間残り4分を過ぎた頃から39.中田をGKにパワープレーを開始。すると37分、21.鬼塚の16mはあろうかというロングシュートが決まって同点に追いつく!柏は14.白方がブラインドになったか?
更に、続くフリーキックから7.ガリンシャの放ったシュートはクロスバーを直撃。惜しくも逆転弾とはならず。
その後の柏の反撃もすみだGK大黒がゴールを許さず試合は1-1のまま、第2ピリオドもタイムアップ。すみだにとっては2試合連続での延長戦突入となる。
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延長戦:セットプレーで勝ち越し点を上げた柏、最後はパワープレー返しでゴールラッシュ!
延長戦第1ピリオド、まだ立ち上がりの42分に柏がセットプレーから勝ち越しゴールを上げる!
キックインからのシュートパスをファーで8.佐藤が合わせた。第2ピリオド終了直前に5ファウルとなっており、それがそのまま延長戦に引き継がれていた柏にとって早々にリードを奪えたことは大きい。
再び突き放されたすみだも最後の力を振り絞って攻める。しかし、2日連続の延長戦に加えて怪我人も多く出ているすみだは体力的に厳しい。
延長戦は5分ハーフ。あっという間に第1ピリオドは終了し、2-1で柏がリードのまま最後の5分間へ。
延長戦第2ピリオド、1点を追いかける立場なうえにスタミナ面で不利なすみだはキックオフからパワープレーを選択。先ほどはこれで追いつくことができたが…
しかし今度はこれが裏目に出てしまった。すみだのシュートをブロックして負傷した11.中村に代わって入った12.内野がファーストプレーでパワープレー返し!かつてのホーム浜松アリーナで、試合を決定付ける特大ループシュートを決めてみせる。
さらに49分にはすみだゴール前、ハイボールの競り合いで溢れたところに詰めた8.佐藤がダメ押しの4点目。
こうなるともう止まらない柏。最後にはGKの22.岩永までもがパワープレー返しを決めて、ここまでの接戦を吹き飛ばすような大量3ゴールを追加してタイムアップ。
なんとジャイアントキリング4連発!トルエーラ柏が浦安、名古屋、大分、そしてすみだと、F1勢をなぎ倒してF2リーグチームとして初めて全日本選手権優勝を決めた。
敗れたすみだだが、決して1-5というスコアから想像されるような内容ではなかった。45分間はまったく互角の戦いだったが、ラスト5分に力尽きてしまったか…
ということで、第26回全日本フットサル選手権大会の優勝チームはトルエーラ柏でした。
その強さはすでにF2リーグのレベルではないことは十分目の当たりにしてきたつもりでしたが、まさかリーグ戦を全勝優勝のその勢いのまま全日本まで獲ってしまうとは予想していませんでした。しかもあの絶対王者・名古屋オーシャンズまでをも倒して!
中村友亮選手、内野脩麻選手、全日本フットサル選手権優勝おめでとうございます🏆 元アグレミーナなふたりに、この浜松アリーナでこんな表情されちゃったらなんだか妬けちゃうなぁ🤣
柏にはちゃんとF1に上がってくれないと来季浜松が困るので、来週の入れ替え戦も頑張ってくださいよ〜!と、思っていたんですが…
お祝いムードもつかの間。なんとその翌々日にはF1リーグライセンスが交付されないため、たとえ入れ替え戦に勝ったとしてもトルエーラ柏は来季もF2リーグを戦うことがFリーグから発表され、
さらにそれを受けてトルエーラ柏が入れ替え戦出場を辞退。もうすでに投稿は削除されていますが、クラブ社長や選手たちがSNSで不適切な抗議の投稿をするなど祝勝ムードから一転してしまうのでした。
一部ファンのSNS上でさまざまな憶測が飛び交う中で、4月に入ると発表されたのがトルエーラ柏のクラブ名称変更とホームタウンの移転です。
こうして、F2クラブの劇的な全日本選手権初優勝から一転してクラブライセンス問題、入れ替え戦辞退、そして日本一になった トルエーラ柏 というクラブ名の消滅…
コロナ禍の混乱の中でなんとか1年をやり切ったはずだった日本フットサルの2020/2021シーズンはなんだか後味の悪い幕切れとなってしまったのでした…
しかしトルエーラ柏は確かに日本一となるのに相応しいチームだったし、この試合そのものは間違いなく熱く素晴らしいものでした。
柏のF1ライセンス不交付の理由とは?
大栗社長をはじめ柏の選手たちの“無言の抗議”の真意とは?
トルエーラの品川移転はいつから決まっていたのか?
そういった謎はまだ生き残っている フットサルメディア がきっといつか取材して明らかにしてくれるはずだと信じて、ぼくは自分の目で見たこの試合のことを自分自身が受けた感動とともに、せめてこの記事に書き残しておこうと思います。
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